増え続ける孤独死の現状と対策
誰にも看取られることなく亡くなってしまう孤独死
ご家族や親戚など誰にも看取られずに息を引き取ることを、一般的に孤独死といいます。
1970年から1980年頃に、孤独死という言葉が登場し、少子高齢化、一人暮らしの増加に伴い、孤独死が増えニュースなどで話題になり世に広まっていきました。
人口が多い都市部でも孤独死が増えており、老老介護の末、孤独死に至ることもあります。
社会とのつながりが希薄など、孤独死する特徴
高齢者の中でも、男性の孤独死が全体の7割を占めるなど、女性より男性の方が孤独死になる可能性が高いという統計があるようです。
配偶者がなく、家族や親戚と離れて生活している方、会社を定年退職したり、失業したりして社会との繋がりが希薄になっている方、慢性疾患を持った方も孤独死になる可能性があります。
また、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいると隣に住む人の入れ替わりが頻繁で、コミュニケーションが希薄になる、また、趣味が少なく知人や友人も少ない場合も孤独死する要因となりえます。
近年は日本に大きな災害が発生しておりますが、大きな災害で仮設住宅暮らしになると、今まで築いてきた近隣の住民とのコミュニケーションが断たれ、孤独死に至る場合もあります。
都会では孤独死の数が多い傾向に
上にも述べたように、あるデータによると、すべての死因のなかで立会者のいない死亡の男女の比率を調べたところ、その数は男性に集中しています。
また、立会者のいない死亡の比率を東京都と全国で比較すると、東京都は全国平均より高い数値を示しており、都会の孤独死が増えていることがデータからもわかります。
ある企業が2012年に公表した資料では、65歳以上で亡くなった方の中で、死亡した後に4日以上経過して発見された方が、年間2万人程度いるとも記載されています。
この資料は2010年のデータに基づいて作成されていますので、現在ではさらに増加していると考えられ、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には10万人になるともいわれています。
臭いや室内の汚れなど、孤独死による住宅トラブルとは
風呂で溺死したり、持病、熱中症によって亡くなるなど孤独死に至る原因はさまざまですが、ご遺体の発見が遅れると住宅トラブルにつながることが多いです。
ご遺体は腐敗していきますので、腐敗臭が室内に漂い、体液が床などに広がることがあります。
このような状況になると、一般の方では手におえない状態で、特殊清掃を行う業者に清掃を依頼していただくことになります。
ただ、特殊清掃には費用がかかりますので、賃貸物件で亡くなられた場合、これらの費用はご家族などに請求されることとなり、支払いを巡って家族や親族のあいだでトラブルになることも十分考えられます。
また、室内にある遺品の整理を迅速に行わないで放置すると、残されたご家族に家賃の負担がのしかかってきます。
また、持家での孤独死であっても、資産価値を損ねる場合がありますので迅速に対応するのが良いでしょう。
孤独死の対策として注目される見守りサービス
このような孤独死を防ぐ方法はないのでしょうか?
子供の独立や配偶者の死など、やむをえず、一人暮らしをしなければならない人は少なくありません。今は家族と一緒でも、一人で暮らす日がやってくる可能性は誰にでもあります。
今からできることは、日頃から食生活に気を配るなど健康管理を行い、地域の住民とこまめにコミュニケーションをとることです。
仕事から解放されたあとは昔懐かしい友人と旧交を温めたり、趣味を持って新たな人間関係を構築するなど、人とコミュニケーションを持つことが大切です。
それでも年齢を重ねると、親しくしていた友人や知人もいなくなってしまうこともあります。そういうときは、自治体などが行っているサービスを受けて外とのつながりを保つようにしましょう。
自治体によっては、一人暮らしの高齢者の家を訪問して安否確認などを行っているところがありますし、民間企業などもサービスを提供しています。
コールセンターから毎日安否確認をしたり、定期的にスタッフが訪問したりするサービスのほか、室内に専用のセンサーを取り付けて人の動きを見守るサービスもあります。
緊急連絡装置を家に設置して、緊急ボタンを押すとコールセンターにつながり、通報の内容に応じて対応してくれるサービスもあります。
まずはお気軽にご相談ください(無料)