昔に比べると、一人暮らしの世帯が多くなり、孤独死についてのニュースを耳にすることがあります。
日本では、毎年数千人以上の方が孤独死するといわれております。
誰にも看取られずに、独りで息を引き取るイメージがある孤独死ですが、亡くなってから1週間以上、誰にもご遺体が発見されないケースを孤独死と呼ぶことが多いです。
死後、ご遺体は腐敗がはじまりますので、その臭いなどが周辺に漂うことで近隣の住民が気付き、亡くなられたことが発覚することがあります。
自宅などで死後1週間以上経過したご遺体が発見されても、孤独死に当てはまらないケースには、自殺と殺人があります。
自ら命を絶つ自殺は、ご遺体の発見までに時間がかかることがありますが、室内の自殺であっても孤独死には当てはまりません。
また、殺人の場合も孤独死には当てはまりません。
法律上は孤独死という概念はなく、警察庁による死因統計上は、孤独死は変死に含まれます。
人の死は、老衰で亡くなるなどの自然死と不自然死(殺人や自殺、事故死など)に分けられ、変死はこれらのいずれに属するのかわからない状態を言うそうです。
昔のように何世代もが一緒に暮らすことがなくなり、お年よりが独りで亡くなることは現代になり急増しています。
変死とは異なる「孤独死」「孤立死」といった言葉で、そういった問題に意識を持つことは大切なことかもしれません。
東京23区で発生する孤独死は増加傾向にあり、ここ10年で2倍程度になっています。
2003年には孤独死は1441名だったのが、2012年には2727名に増えています。
亡くなってから発見されるまでの日数は、男女平均で9日程度となっており、長期化する傾向にあります。
孤独死の原因はさまざまです。
生涯未婚率が高くなり、一人暮らしの男女も増え、結果、亡くなった際にも発見が遅れて孤独死になるケースが増えています。
核家族が増えて、お子さんが独立した後は、親御さんだけの世帯になり、連絡も頻繁に取らなくなると孤独死が増えます。
昔の日本では地域のコミュニティーが存在し、近所付き合いの中でお隣さんへの気遣いがありました。
現在ではプライバシーを重視する傾向にあり、お隣やお向かいさんとのお付き合いが減るなど地域のつながりが希薄になりつつあります。その結果、人が亡くなっても気づかれることもなく孤独死が増えています。
孤独死は、老人ホームに入居するなどで防止することができますが、入居には一時金や毎月の費用が必要になります。
これらの費用を支払えない方の一人暮らしも増え、孤独死も増えています。
ご紹介したように、増え続ける孤独死への対策が急務となってします。
ご本人やご家族でそれぞれに心がけておきたい対策があります。
個人が取り組む対策としては、日頃から市区町村主体のコミュニティーに参加したり、心配ごとがあれば地域にある相談窓口等に連絡をしたり、外とつながりを持つようにしましょう。また、隣人とのコミュニケーションも大切に育てていきましょう。
家族が取り組む対策としては、電話などで定期的に連絡をとり、足を運んで顔を合わせながら近況報告をすることが理想でしょう。
最近では、ポットの使用を通じて離れて暮らす家族の携帯やパソコンに安否確認が届く製品があります。また、有償ではありますが見守りや安否確認のサービスを活用することもできます。
一人暮らしの家族や親類が亡くなった際、遺品を整理や部屋の清掃をしなければならないときがあります。
家族や親類を孤独死させてしまったというショックから、部屋に入れない方も少なくはありません。
ただ、賃貸物件で孤独死した場合は、そのまま放置しておくと、家賃が溜まることや部屋の汚れが酷くなることが懸念されます。最悪の場合、管理会社や大家さんとトラブルになるかもしれません。
遺品整理の業者や特殊清掃業者に依頼すると、このようなトラブルが発生する前に部屋の整理や清掃が完了できます。
私どものように遺品整理を行う業者は遺品を丁寧に扱い、ご依頼者さまの意向に沿う形で整理を行います。
特殊清掃についても、専用の消臭剤や消毒剤などを使って室内をクリーニングし、通常の清掃では困難な汚れに対しても対応することができます。
ただ、管理会社や大家さんの許可をとってから特殊清掃業者に依頼しましょう。
また、このような業者の中には、リフォームの斡旋をする業者もいますが、まず管理会社や大家さんに相談しましょう。