片付けられないのは「捨てられない」ことが理由かも

片付けが進まないのは、思い出が邪魔をして捨てる決心がつかないからかもしれません。形見や貴重品以外の物は、思い切って処分していきましょう。書類や衣類、写真は捨てる方向で取捨選択します。判断の基準は自分が使うかどうかで考えましょう。

片付けが上手くいかないのならば、第三者である専門家に頼むという方法もあります。

親の家の片付けの場合は心理的な負担も

親の家の片付けは、自分の家以上に心理的にも時間的にも苦労がかかります。

突然の死があり、葬儀社を決め、通夜や葬儀の段取りをし、火葬、納骨までの一連を早ければ3日ほどで執り行わなければなりません。
そうしてやっと遺品の整理となります。

ですが、親の家が遠方にあれば移動だけでも時間が取られます。仕事を休んで片付けることになり、膨大なものの量に途方に暮れるかもしれません。形見や貴重品、売れる物は残しておくとして、大半を占める物が不要なものです。

まずは、思い切って捨てることを決断することが第一歩となります。

家の中にある「捨てる」対象物

人によって捨てる物は変わってきますが、どんな人にも共通して捨てておくべき対象を挙げておきます。

【書類】
念のためにととっておいて、いつの間にか溜まっていくのが書類です。処分しようと思いつつも、大事な書類が紛れ込んでいるかもしれないと、後回しになってしまいます。

書類の整理をする際には、初めに保管する目的をはっきりさせましょう。クレジットカードの明細や古い家電の保証書などは、この先使う予定はありません。相続にまつわるような権利書や借用書などに絞って保管します。

領収書、レシート、カードや公共料金の明細は直近のものは保管しても構いませんが、基本的には処分しましょう。

電気やガスの解約の際に明細に記載されている情報が必要となることもありますが、なくても対応してもらえるので心配はありません。

家電の取り扱い説明書や保険証は引き取る人がいるならば一緒に渡します。そうでなければ処分をしましょう。

【衣類】
タンスやクローゼットに詰め込まれた衣類は、基本的に処分の方向で考えます。高価なものかどうかではなく、自分が着るかどうかで判断すると迷いにくくなります。

高いものだから。着られそうだから。そんな考えでいると、いつまでたっても膨大な衣類の山は減りません。デザインが古く、コーディネートがしっくりこないものは、結局袖を通すことはありません。

これは着物についても同様です。

【写真】
遺品の整理をする上で扱いに困るのが写真です。
忙しい中、時間を作って空き家の整理に来ているのに、古いアルバムを見つけるとついつい見入ってしまいます。昔の思い出がよみがえり、あっという間に時が過ぎてしまいます。

自分の家であれば問題はないのですが、空き家の整理はいつでもできるわけではません。どこかで一線を引いて割り切る必要があります。

デジタル化していなかった時代には、集合写真などは写っている人数分焼き増ししていました。身内に同じものが残されていることもあります。知らない人が写っているものも手元に残しておいても仕方ありません。厳選した写真は1冊にまとめ直し、残りは思い切って処分しましょう。

取捨選択の判断基準、捨てることに対する考え方

片付けを効率的に進めるためには、家の中のいろんな物を「残す物」と「処分する物」に分ける、自分なりの基準が必要です。わかりやすいのが「自分が使うかどうか」です。持ち帰って自分が実際に使うかどうかを基準とするのが、最もシンプルで確実な方法です。

思い出の品だから、高価な物だからというのは、過去の価値観に縛られているのと同じです。今の自分の基準で、残しておくべきかを考えてみましょう。親が大事にしていた物であれば、安易に処分しづらいものです。もったいないと思うこともあるでしょう。

それでも、処分することなしに片付けはできません。また、その場では処分しなくても、しまい込んでおくだけでは物の価値はないのと同じことです。物は使われてこそ価値があるのです。

残すかどうかの判断に迷うものが出てきたならば、「検討中」の箱を作り、一時的に入れておきます。じっくり考え込んでしまうと作業が中断されてしまいます。分別作業を一通り終えてから、時間を取って悩んでください。

専門業者に煩雑な作業を依頼することで物の取捨選択に専念

遺品を取捨選択していくと、故人のとの思い出がよみがえってくるものです。客観的にみれば、もう価値がなく使うことのない物であっても、捨てるとなると後ろ髪をひかれてしまいます。
兄弟など複数で片付けをするとなると、物の処遇について意見が食い違うこともあります。第三者が間に入ることでスムーズに事が進むこともあります。

また、物を取捨選択していくと、「不用品として処分」するほかに「リサイクルに出す」「貴金属は鑑定してもらう」「供養する」など、煩雑な作業が発生します。

遺品整理の専門業者であれば、それぞれの業者とネットワークを持っています。大事な形見などの扱いは遺族が行う方が好ましいでしょうが、それ以外の部分では専門家の手を借りるということも可能です。遺族は捨てる物を判断することに専念できます。

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